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最新ニュース 2010.8.30 新ルール 改正貸金業法
トップページ>資料室>金融よもやま話>金利のはなし-消費者金融の不動産担保
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金利のはなし
最近,巷で良く聞くことのある「過払い」「不当利得金等返還訴訟」とも関連して,金利のはなしをしてみたいと思います。
現在、日本の法律で認められている上限の金利はどれくらいかご存知でしょうか?
「利息制限法」という法律では借りた金額に応じて3段階の上限金利をさだめています。
第一条(利息の最高額)
金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、その利息が左の利率により計算した金額をこえるときは、その超過部分につき無効とする。
元本が十万円未満の場合 年二割
元本が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
元本が百万円以上の場合 年一割五分
(以下略)
つまり、借りた金額が10万円未満であれば実質年率で20%、10万円以上100万円未満であれば実質年率で18%、100万円以上は実質年率で15%以上の金利を超えた部分は、いくら契約書上でそれを超える利率を記載してあっても無効となるわけです。
前述のとおり,利息制限法の制限利率は最大で20%であるにも関わらず,消費者金融業者や一部カード会社の無担保ローン平均金利は27%~28%位に設定されています。なぜ、法律に違反した金利を設定しているのに処分や処罰を受けないのでしょうか?
これは、利息制限法以上の金利を設定しても、ある一定の利率までは刑事罰が科されないからです。
高金利に対する処罰を定める法律は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」と言うものでして、これは俗に「出資法」と呼ばれています。
第五条第二項(高金利の処罰)
(一部省略)金銭の貸付を行うものが業として金銭の貸付を行う場合において年29.2パーセント(中略)を超える割合による利息を受領したときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(※なお,平成18年10月現在,臨時国会において出資法の上限金利が年20パーセントに改正される見込です。)
つまり、貸金業者が実質年率で29.2%を超える金利を取って初めて、刑事罰が科せられる仕組みになっているのです。
ですので、借りた金額が50万円としますと、18%~29.2%の間の金利設定は、「利息制限法」上は無効だが、「出資法」上は処罰の対象とならないのです。
この間の金利を俗に「グレーゾーン」と呼んでいます。
消費者金融などは刑事罰がないことと資金需要があるのをいいことに、堂々と法律違反をしているということになります。
では、利用者としてはこのグレーゾーン金利に対抗する手立てはないのでしょうか?
結論からいいますと、その手立てはあります。
例えば,利息制限法にもとづき、一定期間の経過後(利息制限法所定利率計算での完済時)から払わないとか、不当利得金等返還訴訟(過払返還訴訟)を提起することができるのです。
しかし、対抗するといっても、話はそんなに簡単ではありません。
というのは、「貸金業の規制等に関する法律」、俗に「貸金業規制法」と言う法律に「みなし弁済」というやっかいなものがあるからです。
これらの規定は、立法過程の歪みによるもので、憲法違反とする説もあります。
第四三条(任意に支払った場合のみなし弁済)
貸金業者が業として行う金銭を目的とする消費貸借上の利息(中略)の利息に基づき、債務者が利息として任意に支払った金銭の額が、同法(利息制限法)第一条第一項に定める利息の制限額を超える場合において、その支払が次の各号に該当するときは、有効な利息の債務の弁済とみなす。(以下略)
(※上記も,平成18年10月現在,改廃される見通しです。)
これは、利息制限法をこえる利息の契約をしても、ある一定の場合には有効な契約となってしまうということです(この法律もグレーゾーンの存在理由の一つです)。
では、どういう場合に有効になってしまうのでしょうか?
おおまかに言うと以下の2点を満たした場合に有効となるのです。
その他にもまだ細かい要件がありますが、要するに「お金を借りたときに、契約の内容をちゃんとした書面で説明をうけ、支払の都度、支払ったお金はどういう契約に基づくものか、内訳はいくらか、などが書かれた領収書を受け取っていた場合は、利息制限法上無効な金利であっても、例外として有効になってしまうよ」と言うことです。
二律背反のまったくおかしな法律ですが、裁判所はこの点について諸種の観点から貸金業規制法第43条の適用についてはかなり厳格な要件を要求して妥当性を導いています。要するになるべく有効とならないようにしているわけです。
さて、対抗手段としては、まず、返済に関してすべてを店頭で行わないこと、何回かは銀行振り込みで返済をすることがあげられます。
消費者金融を利用したことのある方はご存知だと思いますが、店頭窓口で返済をすると、領収書の控えに署名を求められます。これに署名をすることで消費者金融側に有利な証拠を残すことになるのです。
さらに、かならず銀行振込による返済を何回かはしておきましょう。銀行振込の場合、消費者金融側がただちに支払い金額の内訳の説明ができないため、「みなし弁済」適用の要件が欠けることになるからです。
これで、「みなし弁済」は認められにくくなります。
また、最近では、支払いの任意性の有無につき(上記の書面等は、利息制限法違反の利息について、債務者が任意に支払ったといえるための要件でもあります)、期限の利益喪失条項を問題視し、法令違反の金利を支払わないことで、一括請求されると言った内容の条項が契約書面に記載されているような場合、一括請求を恐れるがため、法令違反の金利を支払うのだから、支払いに任意性が認められないとし、17条・18条の書面が適法に公布されていても、みなし弁済を排除する判例もあります(最判平成18年1月13日判決同旨)。
それでは、利息制限法を超える金利について、その無効を主張する方法についてお話します。
が、やりかたをお話をする前に利用者の落ち度についても少し触れておきたいと思います。
例えば、ある貸金業者から29.2%でお金を借りたとします。住宅ローンの金利が2%とか3%であるこのご時世、その金利が「高い」と思う人がほとんどだと思いますが、消費者金融を利用することにも少しばかりですがメリットがあるわけですね。
それはなんといっても「手軽に借りられる」こと、「明細書などが自宅に送付されないので、家族に内緒で借りられること」があげられます。
たいていの人は、そういったメリットの代償として高金利でもやむを得ないと考える訳です。
ですから、ほとんどの人は消費者金融で借りた後、何も言わずに支払を続ける訳ですね。
そこで,業者としては(特に中堅クラス以下の貸金業者),この点を精神的につついてくることが考えられます。
しかし、法律は法律です。
昨今は銀行系の消費者ローンも普及してきて、それらの金利は利息制限法の範囲内です。
そろそろ、消費者金融の金利も引き下げの時期に来ているのは間違いありません。
よほどの事情がない限り、堂々と自分の権利を主張すべきものと考えます。
ただし、消費者金融の業者が残高を主張する場合,原則ブラックリストは覚悟しなければなりません。
さて、ここで次の2つのグラフをご覧下さい。
50万円を18,000円ずつ返済するケース

返済回数47回
総返済額 844,437円
内訳
元金 500,000円
利息 344,437円

返済回数37回
総返済額 651,921円
内訳
元金 500,000円
利息 151,921円
おわかりでしょうか?
このケースで29.2%で50万円借りた場合に、滞りなく完済したとします。
すると、以下の金額は無効であり、その分は返済義務がないのに支払ったお金として、手元に戻ってくる場合があるのです。
344,437円(29.2%の利息)-151,921円(18%の利息)=192,516円
この約20万円の払いすぎている部分のことを過払金といって、業者に返還を請求できると言うわけです。
個々のケースで多少の誤差はあるとしても、この約20万円はあなたが正当に返還を主張できる金額という訳です。
では、無効を主張する順序を説明します。まずは、業者側と直接示談交渉をする方法です。
次にそれでは効果がなかった場合、裁判所で訴訟を提起することになります。
そして、いずれの段階においても自分自身でやる方法と司法書士や弁護士に依頼してやる方法があります。
ここで注意していただきたいのは、いずれにしても消費者金融の業者に残高がある状態で行うと,原則としてブラックリストには掲載されるということです。
したがって、ブラックリストに掲載される不利益も比較考慮してみる必要があるでしょう。
参考:信用情報機関
サラ金系
全国信用情報センター連合会
http://www.fcbj.jp/
信販系(一部消費者金融も加盟)
株式会社シー・アイ・シー
http://www.cic.co.jp/
株式会社シーシービー
http://www.ccbinc.co.jp/
銀行系
全国銀行個人情報センター
http://www.zenginkyo.or.jp/pcic/index.html
さて、お金が返ってくるのであれば、ブラックリストに掲載されてもかまわないと言う人は、方法の選択となります。
ご自身でなにもかもやられる場合は、まず取引状況を正確に把握するため、業者側に「取引の当初からの貸付元帳」を開示してもらいましょう。
ご自身でやる場合は困難な場合もあります。
たいていの消費者金融業者は開示を渋り,あれこれ理由をつけてやりすごそうとしてくるところが多いと思います。
粘り強く交渉することが必要です。
元帳が開示されたら、取引内容をよく確認します。
手元に残っている領収書や契約書などから、記載内容は正確かどうかよく見てください。
間違いがなければ、利息の再計算に突入です。
電卓をご用意下さい。
今まで29.2%で計算されていたのを、利息制限法上限金利である18%で再計算しなおし、いったいいくら余分に支払っているのかを確認する必要があります。
この金額によっても、事後の対応が変わってきますので、この計算は重要です。
方法は2つあり、一つは「再計算ソフト」を利用する方法です。
インターネット上で無償で配布されているものを使うとよいでしょう。
Vectorなどで「引き直し」ができるものを選んでダウンロードしてください。
ただし、ダウンロードや解凍の知識が必要なうえ、一度もこういった再計算ソフトを利用した経験がない人の場合は手計算で行ったほうがよいかも知れません。
さて次は手計算の方法です。まずは電卓での金利計算の基礎を下記に記載します。
借入元金 × 年利率 × 利用日数 ÷ 365 = 利息
例)478,978円を13日間、借り入れた場合(実質年率 18%)
478,978 × 0.18 (18%) × 13 ÷ 365
= 3,070.708・・・・・
=3,070円(小数点以下切捨て)
なお、「借入元金×年利率÷365×利用日数」でも大丈夫です。
桁数の少ない電卓の場合、この計算のほうがいいでしょう。
次は、いよいよ再計算の方法です。
再計算は非常にややこしいので、落ち着いて確認しながら作業をして下さい。
延滞がある場合は、延滞していた期間中は26.28%で計算しなければなりませんので注意が必要です。
貸付元帳 利率29.2 遅延29.2 毎月末支払
日 付 |
貸 付 |
返 済 |
日 数 |
利 息 |
元 金 充 当 |
残 高 |
遅 延 |
損害金 |
|||||
1/1 |
500,000 |
|
|
|
|
500,000 |
1/30 |
|
18,000 |
29 |
11,600 |
6,400 |
493,600 |
2/28 |
|
18,000 |
29 |
11,451 |
6,549 |
487,051 |
3/3 |
|
20,000 |
31 3 |
12,078 1,168 |
6,754 |
480,297 |
上記は業者から取り寄せた元帳と考えてください。
以下に引き直し計算のプロセスを記載します。
1/30の利息額=500,000×0.18×29÷365=7,150
1/30の元金充当額=18,000-7,150=10,850
1/30の残高=500,000-10,850=(※1)489,150
2/28の利息額=(※1)489,150×0.18×29÷365=6995
2/28の元金充当額=18,000-6,995=11,005
2/28の残高=489,150-11,005=(※2)478,145
3/3の利息額=(※2)478,145×0.18×31÷365=7,309
3/3の遅延損害金=(※2)478,145×0.2628×3÷365=1,032
3/3の元金充当額=20,000-7,309-1,032=11,659
3/3の残高=478,145-11,659=466,486
引き直しをした結果は以下のとおりです。最初の元帳と比べてください。
日 付 |
貸 付 |
返 済 |
日 数 |
利 息 |
元 金 充 当 |
残 高 |
遅 延 |
損害金 |
|||||
1/1 |
500,000 |
|
|
|
|
500,000 |
1/30 |
|
18,000 |
29 |
7,150 |
10,850 |
489,150 |
2/28 |
|
18,000 |
29 |
6,995 |
11,005 |
478,145 |
3/3 |
|
20,000 |
31 3 |
7,309 1,032 |
11,659 |
466,486 |
以上により、 480,297円 - 466,486円 = 13,811円
(当然元金に充当された結果の業者計算との差額) となる。
※過払金が発生した場合(上記例では発生してませんが),過払金には発生したときから年5%,場合によっては年6%の利息を付すこととする主張も可能ですので,その場合,別途利息の計算も行う必要があります。
こんな具合にやっていきます。
取引が5年あった場合、最低でも60回計算しないといけないので少し大変です。
また、元帳自体も各業者によってレイアウトがまちまちですし、中には外資系の消費者金融なんかは英語表記などもありますので業者に問い合わせるなどして慎重に計算しましょう。
利息制限法所定利率での利息再計算が終わりましたら、その差額から費用対効果を考えてとるべき対抗措置を検討します。
なお,業者が過去10年以前の分の開示は,帳簿の保存がないので出来ないと主張してくるケースがあります。
この場合,実務的には,(1)推定計算をする方法や(2)計算スタートの残高を0円として計算する方法がありますが,立証が難しかったり,法律的に少々難しい理論構成が必要ですので,弁護士又は司法書士と相談するとよいでしょう。
具体的に返還請求をすべき金額が確定しましたら,業者に対して内容証明郵便などで請求書を送付することから初めて行きましょう。
返還請求が任意で受け入れられなかった場合,訴訟を提起することとなりますが,請求金額が元金140万円以下の裁判の場合、簡易裁判所の管轄となりますので、比較的、ご自身でやることも難しくないでしょう(ある程度の予備知識の仕入れは必要です)。
あと、消費者金融の帳簿上は50万円の借入残額があるが、再計算の結果は0円であるとか、10万円くらいの過払い金がある程度のような場合は、簡易裁判所で特定調停を申立てし、業者側に債務不存在を認めさせる方法もあります。
そうすると、以後は当然、一銭も払わなくてよくなります。また、「裁判所に訴訟を起こすのは面倒だから、今ある借金がなくなればそれでよい」、と言う人にも特定調停はお勧めです。
但し、特定調停を利用するためには返済が苦しい状況が必要ですので、現状は難なく返済が出来ている人は専門家に相談してください。特定調停の手続きは簡単で、ご住所を管轄する簡易裁判所の調停係に手続き方法を聞けば親切に教えてくれます。
また、万全を期したいのであれば、司法書士などに書類作成をしてもらうこともできます。
先日もある新聞に過払い金返還のニュース記事がでていました。国民の権利意識も高まり、これからこういったことは頻繁に起こってくることだと思います。
もし、あなたが消費者金融などで借入がある場合、実践されることをお勧めします。
また、そうでないとしてもあなたのお知り合いであてはまるような方がもしみえたら教えてあげてください。
平成17年1月20日,平成18年11月25日一部加筆、一部修正削除
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