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消費者金融の不動産担保ローン(高金利不動産担保ローン)
消費者金融に借入のある方で「借りまとめにどうでしょうか?」と、不動産担保ローンを勧められた経験のある方は多いのではないでしょうか?
消費者金融は融資残高の積上げと安定収益の確保のために、不動産担保ローンに力を入れているところが多数あります。
今回は、その不動産担保ローンの仕組みや落とし穴についてお話ししていきたいと思います。
消費者金融から無担保で300万円借入していたとします。
平均金利が27%程度として、その場合、月の返済金額は12万円を超える計算になります。
月に12万円の返済なんて、一般のサラリーマンとしてはとても苦しいものです。
むしろ返済は不可能な場合がほとんどです。
そんな折に「不動産担保ローンで借りまとめると、月の返済は5万円位になりますよ」ともちかけられたら、思わず飛びついてしまう人もいると思います。
たしかに月12万円以上の返済金額が、5万円位ですみますので、一見、楽になるように思えますが本当にそうでしょうか?
まず、銀行などで借入をする場合にも不動産を担保に入れたりしますが、金利はせいぜい5%前後でしょう。
しかし、消費者金融は低くて10%前後、高い場合は20%近い金利が付きます。
さらに、延滞した場合の延滞金利は20%台後半である場合がほとんどですので、借入金額が大きいだけにその負担は重いものとなります。
そして、毎月の支払が半分になったから、金利も半分かといったらそうではありません。
支払期間を長くすることによって誤魔化されている場合がほとんどです。
長い場合は15年以上の返済期間を設定している場合もあります。
まだまだ続きます。
皆さんは「公正証書」と言うものをご存知でしょうか?
これは、「公証人」という資格者の目の前で、債権者・債務者双方が契約内容陳述して作成する契約書です。
通常の契約書とは違い契約違反が生じた場合に、裁判をすることもなく即時に、給与債権等を差押えることができるという、債務者にとっては恐ろしい効力を持っているのです。
こんなおそろしいものを,抵当権を設定してなお要求されるのですからたまったものではありません。
また、不動産を担保にいれるのですから、当然、不動産の登記簿に消費者金融の名前がどーんと記載されます。
これにより、一般的にはその不動産に傷がつくと考えてよいでしょう。
なぜなら、日本人の多くが縁起を担ぎますので、同じ条件の売地が2つあった場合に消費者金融の担保に入っていた土地とそうでない土地を比べたら、ほとんどの人が後者を選択すると考えられるからです。
極めつけは、借りまとめをして、無担保ローンがなくなることで、それまでは件数が多いために借入が出来なくなっていたのが、再び融資を受けることができるようになるため、借り癖の付いてしまった人などは、再び、無担保ローンを借りてしまうおそれがあるのです。
そうなると、不動産の価値がある限り「増額融資」を受けては無担保ローンを借りまとめしていき、最終的に1000万円を超える借入になる場合も多いのです。
そうなってしまったにもかかわらず再び無担保で300万円借入したとしたらどうでしょうか?
無担保での借入が出来なくなった時点で、返済不能に陥ることは目に見えています。
とすると、すべてが延滞金利で回りだすこととなり、総額1300万円の負債すべてが27~29%になるわけですから、月の利息だけで30万円にも上る計算になるわけです。
こうなってしまうともはやサラリーマンの給料では追いつきませんので、土地を手放して返済せざるを得ない状況になってしまいます。
このように、消費者金融の不動産担保には落とし穴が多く存在しますので、絶対に手を出さないことです。
万が一、手をだしてしまった場合の対処方法を次にお話ししたいと思います。
対処方法を知るために、簡単に不動産担保の仕組みから解説します。
まず、よほど間抜けな業者でない限り、不動産担保ローン契約の契約内容は完璧です。
あらゆる念書を取られますし、公正証書・火災保険・場合によっては連帯保証人まで求められ、不測の事態でも回収不能になることはないようにしています。
ですから、金利が高いことを考えると、絶対に手を出すべきではないのです。
ほとんどの場合、過剰融資に該当していても、それを立証すること自体が困難なのです。
消費者金融の不動産担保ローンはほとんどの場合、債務者の土地や建物に抵当権を設定します。
その他にも譲渡担保や信託契約等の特殊形態を用いる業者もありますが、それらの業者は俗に「街金」と呼ばれる業者で、こういった担保形態を要求されたら、相手は相当手ごわいと思わなければなりません。
担保権として抵当権を用いる場合でも多くの場合、普通の抵当権ではなく根抵当権という種類の抵当権を設定します。
これは、あらかじめ極度額を設定して、その極度額の範囲内であれば繰り返し抵当権の効力を及ぼすことができるもので、カードローンのリボ契約みたいな感じです。
そして実際の借入額が300万円でも、根抵当権の極度額は400万円、600万円で設定されるような場合がほとんどです。
これは、貸付の段階で延滞することを計算に入れて、あらかじめ余分に枠を取っておく狙いもあるのです。
平均的には融資額の1.5倍から2倍位でしょう。
が、なかには、将来の増資を見込んで1000万円とか2000万円などといった極度額を設定するところもあります。
極度額の金額によって登記費用が異なり、金額が多ければ多いほど登記費用が高くなりますので、注意が必要です。
さて、不動産担保ローンの場合、土地や建物の価値を担保に融資するわけですが、1000万円で売れる土地に1000万円を貸付する訳ではありません。
普通はその不動産の価値の70%くらいまでしか融資をしないのです。
これを掛け目と言って、将来の土地の値下がりリスク回避の理由と、延滞した場合の延滞金を満額回収しようという狙いがあるのです。
また、各社の内部規定によって相違があると思われますが、抵当権の設定順位によっても、掛け目は違ってきます。
1番抵当を設定できる場合が一番多く融資ができ、その後2番、3番と後順位になるにつれ掛け目が低くなっていくのです。
注意しないといけないのは、住宅ローンなどの低金利のローンを借りていた場合に、消費者金融が「住宅ローンがあるから融資ができない。住宅ローン借入分も当社が融資するから返済してもらえば、あなたの手元に○○万円くらい渡せるのだが」と言ってきた場合です。
こういう状況になった場合は、迷わずに専門家に法的整理を依頼しましょう。
なぜなら、住宅ローンを借換えした時点でまず100%、その人は破綻することになるからです。
また、どのような土地でも担保にできるかと言うとそうではありません。
世間一般の人が購入するような土地でなければ担保として認めてもらえません。
例えば、市街化調整区域の農地などは、宅地に転用することが困難でかつ一般の人は建物を建てることが出来ないため、担保になりません。
山林などもそうです。
ただ、地元の金融業者などは土地販売ルートを持っていたりして、そういった一般には価値のない土地でも換金することが出来る場合、融資をするケースはあるでしょう。
肝心の収入面の審査では、債務者の自由になるお金(可処分所得)を給与明細・源泉徴収票などから計算して、その金額の範囲内で融資します。
が、これに関しては、ずさんなことが多く、債務者の申告如何によっては、本来、返済できない金額をも融資が受けれてしまいます。
例えば、本当は会社から前借をしていて、月に3万円ほど引かれていたとしても、給料明細上は「積立金」の控除名目になっていたような場合です。
消費者金融での借入が土地の価値に比較して相当低額であれば、ちょっとばかり手順を踏まなければなりませんが、銀行での借換えなどの対策を講ずることも不可能ではありません。もし、そういう方が見えましたら是非、ご相談下さい。
次に、中途で解約する場合の注意点と、延滞時の注意点についてお話ししたいと思います。
消費者金融で不動産担保ローンを組んだが、身内などにそれが知れて、親などか資金を用意して一括で返済する場合や、もともとまとまった資金調達が出来る見込みがあって、つなぎで借入したような場合などのように、返済期間途中で一括返済する場合の注意点に触れたいと思います。
中途完済の場合、契約内容によっては「違約金」を要求されるケースがあります。
例えば、借入残元金の○%などのようにです。
したがって、もし借入していたり、どうしても借入しなければならない状況の場合は、「違約金」があるかないか、あったとして妥当な金額かどうか調べてください。
また、担保ローンの契約時には「物件調査費」だとか「登記費用」、「○○手数料」などと数十万円の契約費用を債務者が負担しますが、実は出資法第5条によって、それらの費用はすべて利息とみなされます。
もちろん、先ほどの「違約金」もそうです。
ここで、下記のケースをご覧下さい。
例)300万円を契約利率18.25%で30日間利用した場合。
(ただし、登記費用・契約手数料は合計10万円、違約金は9万円とする。)
契約時の登記費用・契約手数料=100,000円
借入期間中の金利=3,000,000×0.1825×30÷365
=45,000円
中途解約時の違約金(元金の3%として)=90,000円
合計金利=235,000円
と一見、金利だけで235,000円になりそうですよね?
ですが、「金利の話し」でお話ししたように、貸金業者は29.2%を超える金利をとってはいけないことになっています。とすると、
300万円を29.2%で30日利用した場合の金利
3,000,000×0.292×30÷365=72,000円!!
そう、お分かりのように235,000円-72,000円=163,000円に関しては、もし業者が徴収したとしたら、出資法違反になってしまいます。
つまり、契約時に手数料を10万円差し引かれて290万円を渡されたとします。
が、30日後返済に行く時には2,972,000円だけもっていけばよい、ということになります(注:1)。
もし、「一旦は契約書通り入金してもらわなきゃ困る」といわれたら、「相殺(そうさい)して下さい。」と言えばOKです。
もっとも、大手の消費者金融ではこういうところはキチンとしている所が多いでしょう。
しかし、中小の業者では案外知らない振りをしているところがあると思います。
ですから、もし、こういったケースに該当するかもと思ったら、是非この話しを思い出してもらって交渉をしましょう。
また、実際に支払ってしまった人はすぐに返還請求をしましょう。
計算に自信のない方は当事務所に相談してください。
最後に、どうしても返済をすることが出来なくなり、延滞してしまったような場合についてお話したいと思います。
まず、これに関しては、業者の貸付の方法や契約関係に特に問題がない場合、つまり、消費者金融側が法律上間違いのない契約・抵当権を設定していて、物件の価値判断も適正で抜け目のないローンを組んでいた場合は、正直な話し、延滞をすると驚くほど早いスピードで「競売」にふってきます。「まったく情け容赦ない」くらいに考えておいてください。
つまり、業者としては延滞金までカバーできるように貸し付け金額より多めの極度額を設定していますし、逆に長期にわたる「競売」手続き中、延滞金利で計算が出来る分、利益もそこそこあがることから、少々、時間がかかったとしても問題はないと考えている訳なのです。
これは規模にかかわらずどこの消費者金融でもそうですので、「絶対に不動産担保ローンには手をだすな」と言う理由の一つです。
なかには、個々の支店の判断などで、任意で売却(任意売却)するように勧めてくる場合もあります。
これは悔しくも正論です。
なぜなら、すでに手を出してしまった以上は,早い段階で任意で売却することにより、少しでも手元に金額が残る可能性があるからです。
「来月になればなんとかなる」とか「○○ローンも鬼じゃないから」などと甘い考えでマイホームにしがみついていると、どんどん延滞金利が嵩んで、結局、不動産を手放すことになったは、手元には1円ものこらなかったなんてことがあるからです。
正論は正論ですが、業者の勧めてきた「不動産業者」には注意してください。
良く耳にして,自社ビルを構えているなど財務体質も良く、世間の評判もよく、従業員もたくさんいるようなまっとうな不動産業者なら良いのですが、中には金融業者と癒着し、暴利をむさぼるだけの場合もあるからです。
また、できるだけ「専属専任媒介契約」(一つの業者のみに不動産売却の仲介を依頼する契約)は結ばずに、複数の不動産業者へ売却依頼をするようにしたほうが賢明です。
もっとも、延滞をする前に充分返済計画を立てて、その結果が思わしくない場合は無理をせずに、所有している不動産に見切りをつけて(なかなか難しいとは思いますが)、消費者金融の担保ローンは完済したほうがよいのです。
もし、「私ももしかして・・」とか心当たりのある方がみえましたら遠慮せず一度当事務所へ相談してください。様々な状況をシュミレートした上で納得のいく方向性が決められます。
ちなみに、業者側が無理をして貸付していたような場合(頑張って貸した場合)や、2番・3番抵当で地価の下落などにより競売にふったら取りはぐれるかもしれないような場合は、「任意整理」も効果があります。
和解成立後は原則として無利息となります。
そういった見極めも当事務所で可能ですので是非ご相談下さい。
見極めなしに調停を選択すると調停不調に終わったうえ、その後下手すると競売にふられる場合もありますから注意しましょう。
注:1 登記費用のうち司法書士への報酬分はみなし利息とならないとする解釈もあります。また、抵当権設定のための名義変更費用などはみなし利息にはなりませんのでご注意ください。
平成18年11月27日一部修正・加筆
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